体の芯まで温まる“冬の温泉” 長崎県「雲仙福田屋/山照別邸」
温泉
2024/02/02
温泉は、生きている地球の力が詰まった恵みの泉。四季のある美しい日本を訪ねて、その土地ならではの温泉に入り、身も心もいやされる旅へ。“カリスマ温泉ソムリエ”石井宏子さんが、いまこそ出かけたい旬の湯宿をご紹介します。

- 取材・文/石井宏子(旅行作家・温泉ビューティ研究家)

- 長崎県
冬の温泉に求めるものは、温かいだけでなく、心と体の調子を整えてくれることも大切です。酸性の硫黄泉は、血行を促進して体の巡りをよくし、冬の冷えやむくみを改善する助けになります。今回ご紹介するのは、長崎県・雲仙温泉にある「雲仙福田屋/山照別邸(やまてらすべってい)」。標高約700mにあり、岩の間から温泉の蒸気がもくもくと上がる雲仙地獄に隣接しており、地球のエネルギーを肌で感じられる温泉地です。にごり湯の硫黄泉に入り、美食も堪能できます。
雲仙地獄を歩いて地球のエネルギーを体感
チェックインの前に、雲仙地獄を散歩してみましょう。遊歩道は歩きやすく整備されていて、適度なアップダウンもあって、いい運動になります。あちこちからもくもくと湯けむりが上がり、ただよう温泉ミストを浴びながら幻想的な風景のなかを歩けます。
温泉付きの「山照別邸」でくつろぎの時間を
宿にいながら3ヵ所の湯巡りを楽しむ
宿には露天風呂と大浴場、貸切風呂もあり、湯巡りができます。冒頭写真は、山照別邸にある源泉かけ流しのパノラマ露天風呂「薫風(くんぷう)の湯」。本館の内湯(写真)はぬるめと熱めの湯船があり、空いていれば貸切風呂(写真)も無料(宿泊者のみ)で入れます。
湯はミルキーグリーンのにごり湯で、泉質は酸性・含硫黄・鉄-カルシウム-硫酸塩温泉。殺菌・活性の酸性泉、血行を促進して代謝をサポートする硫黄泉、体の芯まで温まる含鉄泉と、療養泉の特殊成分がトリプルで働く健康パワーの温泉です。鉄板焼で島原半島の恵みを存分に味わう

夕食は、会席料理コースのダイニング、鉄板焼、料理人が目の前でてんぷらを揚げる天ぷらカウンターの3つのレストランから選べます。今宵は鉄板焼「桜橋」をセレクト。長崎和牛や島原半島の海の幸、雲仙の有機野菜のステーキなどを楽しめます(写真)。雲仙には種どり野菜を無農薬自然栽培で生産する農家が集まっていて、生命力あふれる野菜のおいしさに驚きます。シェフの見事なヘラさばき(写真)は、まさに島原を楽しむディナーショーのようです。
料理は肉も魚介も野菜もどれも主役といえ、引き出されるおいしさに幸せを感じます。最後は島原市産のたまごを使ったチャーハンで。雲仙普賢岳をイメージした山型のごはんが鉄板の上で絶品のたまごチャーハンに仕上がります。地獄散歩から始まった旅は、温泉で体の芯までポカポカになり、島原半島の恵みをおいしく味わって肌もつやつやになる、いやしの滞在となりました。
(*データ)
「雲仙福田屋/山照別邸」うんぜんふくだや/やまてらすべってい
- 住所 長崎県雲仙市小浜町雲仙380-2
- 電話番号 0957-73-2151
- 料金 おひとり様1泊2食付 福田屋会席プラン17,050円~、鉄板焼「桜橋」プラン25,520円~(2名1室利用時・サービス料込・入湯税150円別)
- 公式サイト https://www.fukudaya.co.jp/
(*著者プロフィール)

いしい ひろこ●旅行作家・温泉ビューティ研究家。年間200日ほど国内外の温泉を旅する。雑誌や新聞などに旅コラムを書き、テレビ・ラジオにも出演。温泉や食、自然環境を通じて美しくなる“ビューティツーリズム”を研究。杏林大学温泉療養学兼任講師、国際中医師、日本温泉科学会代議員、日本温泉気候物理医学会会員、カリスマ温泉ソムリエ。著書に『感動の温泉宿100』(文藝春秋)、『新・温泉ビューティ』(グリーンキャット)ほか。https://www.onsenbeauty.com/
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