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クリスマスシーズンのフィレンツェを追体験!

旅行

2025/01/17

『J-B Style 2024年冬号』の特集「フィレンツェ ナターレの街角を歩く」では、イタリア中部の古都、フィレンツェのクリスマス(イタリア語ではナターレ)の様子をご紹介しています。クリスマスシーズンに実際に街を歩いて出合った、特別なスイーツやオーナメント、グルメを通して、クリスマスムードを追体験してみましょう。

ライター
取材・文/池田愛美 写真/池田匡克
エリア
フィレンツェ(イタリア)

東西わずか3kmほどのフィレンツェ旧市街は、歩いて回るのにちょうどいい大きさ。そのなかには歴史的モニュメントはもちろんのこと、ショップや飲食店も数多く集まっている。クリスマスが近づく11月下旬から12月初めになると、街には徐々にクリスマスの飾りつけをする店が増えはじめ、12月の8日あたりからは、主立った広場にクリスマスツリーが、通りにはイルミネーションが登場し、一気にクリスマスムードになった。

クリスマスの特別なスイーツ、パネットーネ

ダミーイメージ

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カフェやパスティッチェリア(菓子店)のウインドーには、サンタクロースやトナカイをかたどった一般的なクリスマス菓子も並ぶが、毎年主役となるのはイタリアならではのクリスマス菓子(冒頭写真)だ。とりわけ印象的なのは、両手でないと支えられないほどの大きさの「パネットーネ」(写真)。ミラノ発祥の発酵菓子で、バターをたっぷり練り込んだ生地にドライフルーツなどを混ぜ込んだ、ふんわりとした“菓子パン”である。伝統的なパネットーネは、レーズンとオレンジピールを混ぜ込んだものだが、近年ではチョコレートと洋梨、アプリコットと塩キャラメル、さらにはピスタチオクリーム入りなど、店によってさまざまにアレンジしたものも登場している。ギフトとしてもたいへん人気があるため、凝ったデザインの箱(写真)や缶入りも多い。少々大きな物だが、旅のスペシャルな思い出として持ち帰る人も見受けられた。

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また、トスカーナ州シエナの伝統的クリスマス菓子の「パンフォルテ」(写真)も隠れた逸品。ドライフルーツ、ナッツ類、ハチミツ、スパイスをほんの少しの小麦粉とともに練りあげた焼き菓子で、1000年ほど前に修道院で作られたのが始まりという。自然な甘さと濃厚なスパイスの香りが特徴で、昔ながらの伝統を感じさせる味わいだ。「カフェ・スクディエリ」ではシエナの老舗菓子店のパンフォルテを販売していた。

オーナメントの飾り方を参考にしたくなるディスプレー

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フィレンツェは、ショップにディスプレーされているクリスマスの飾りつけがどことなくクラシック。ヴェッキオ橋やヴェッキオ宮殿などの壁面に、流行りのプロジェクションマッピングを映し出したりしていても、人々の好みはあくまでトラディショナルという印象だ。クリスマスツリーに飾るオーナメントも、「リナシェンテ・フィレンツェ」のクリスマスコーナー(写真)に並ぶ商品を見ると、多くが定番の赤色と金色で、ツリーの緑に映えることが重視されているようだ。しかし一見同じようでも、よく見ると細かい違いがあり、毎年新しく買い揃える人が多いというのもうなずけた。

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クリスマスツリーは、キリスト教以前の民間信仰の名残りで、天上の木をイメージしたものだという説がある。それゆえ、太陽や月、星をモチーフとした丸い玉を飾りつけるようになったようだ。吹きガラス製や木製の玉(写真)は美しく、クリスマスツリーにだけ飾るのはもったいない気もする。箱や器にあしらって、さりげなく置いてみると、クリスマスの時期以外でもインテリアとして楽しめそうだ。

秋から冬に味わえるイタリアの美味、白トリュフ

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世界三大珍味のひとつ、トリュフ。イタリアでは「谷川の流れる森には必ずトリュフが育つ」といわれ、春先には茶色で皮の薄いトリュフ、夏には黒く厚い皮のトリュフ、そして秋から初冬にかけては強い香りを放つ白トリュフがとれる。
ほかのトリュフに比べて稀少で非常に高価な白トリュフは、盗掘を防ぐため、採取の時期が厳しく決められており、味わえるのは基本的に10月から12月ごろまで。レストラン「アンティコ・リストランテ・パオリ」は、一年中トリュフ料理を提供しているが、クリスマスのお楽しみといえばやはり白トリュフ料理だ。白トリュフと牛肉のタルタルステーキ(写真)や手打ちパスタ、フォアグラ&牛フィレステーキに白トリュフを削りかけた料理(写真)は、この時期だけのご馳走として、相変わらずの人気だった。

 

(*物件紹介)
「Caffè Scudieri」カフェ・スクディエリ
    • 住所 Piazza San Giovanni, 19R Firenze
    • 電話番号 055-210733
    • 営業時間 7:00AM〜11:00PM
    • 休み 無休
    • 公式サイト https://www.scudieri.it/

 

「Rinascente Firenze」リナシェンテ・フィレンツェ

 

「Antico Ristorante Paoli」アンティコ・リストランテ・パオリ
    • 住所 Via dei Tavolini, 12R Firenze
    • 電話番号 055-216215
    • 営業時間 正午〜10:30PM
    • 休み 無休
    • 公式サイト https://www.ristorantepaoli.com/

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