もっとJ-B Style! +α取材ネタ

“お薬師さん”西明寺と琵琶湖×コクヨ工業滋賀のこと

旅行

2024/08/23

『J-B Style2024年秋号』の特集「東近江の古刹と巡礼の路」で登場する滋賀県の湖東三山。そのなかから、国宝と仏像の宝庫「西明寺」をクローズアップ。滋賀県のシンボル・琵琶湖の環境保全に取り組むコクヨ工業滋賀の「ReEDEN(リエデン)」プロジェクトもあわせてご紹介します。

ライター
取材・文/薄雲鈴代 写真/堀出恒夫、ウエスト・パブリッシング
エリア
滋賀県

滋賀県・湖東三山のひとつ西明寺(さいみょうじ)の境内には、1000本を数える紅葉が、朱・赤・黄色と錦秋を織りなす(冒頭写真)。時期おなじく天然記念物の不断桜も11月に満開となり薄紅色をまとう。そして蓬莱庭には苔の翠(みどり)。これらはあわせて「西明寺の秋色五色」と呼ばれている。

西明寺の国宝・本堂は、貴重な仏像の宝庫

ダミーイメージ

ダミーイメージ

国宝第一号に指定された本堂「瑠璃殿」には、本尊の薬師如来が厨子のなかに安置されている(写真)。秘仏ゆえにその姿を拝することはできないが、脇侍(きょうじ)である日光・月光菩薩、そして眷属(けんぞく)である十二神将の居並ぶ壮観な世界を前にすると、本尊の尊さがおのずと実感できる。薬師如来を守護する十二神将は、厳めしい表情のなかにどこか愛嬌があり、生き生きとしている(写真)。甲冑姿で武具を持ち、おのおの七千の家来を引き連れているというから鉄壁の守りである。ちなみに、十二神将は頭上に干支の動物を乗せていて、自分の生まれ年の守り本尊としても信仰されている。ここは、“お薬師さん”の霊験あらたかな、「西国四十九薬師霊場」第三十二番札所でもある。

作家・五木寛之氏を感動させた「三重塔」

ダミーイメージ

ほの暗い本堂から境内に出ると、艶やかな紅葉越しに国宝・三重塔がそびえる(写真)。残念ながら塔内の公開は未定だが、鎌倉後期に建立されたままの姿をいまに伝えており、外から見るだけでも美しい。テレビ番組『百寺巡礼』(のちに書籍化)で訪れた作家の五木寛之氏は、「西明寺のような塔が、日本人のこころにはしっくりくるような気がする」という。

 「私はこれまでに、ずいぶんたくさんの塔を見てきた。そのなかでも、
 この三重塔はベストスリーにはいるどころか、
 一、二を争うほどすばらしいと思う」(五木寛之『百寺巡礼』)

 西明寺を美しいと思うのは日本人ばかりではなく、アメリカの大手放送局CNNの「日本の最も美しい場所36選」(2024年現在)にも選ばれている。

琵琶湖の環境保全に取り組むコクヨ工業滋賀

ダミーイメージ

西明寺を訪れる際に利用する、名神高速道路「湖東三山スマートIC」の近くには、コクヨ工業滋賀がある(写真)。キャンパスノートをはじめ、コクヨブランドの紙製品を製造する、国内最大級のノート工場をもつ企業だ。同時に工場独自の取り組みとして、地元・滋賀への環境貢献を目指した「ReEDEN」プロジェクトが行われている。琵琶湖の自然の恵みに感謝し、エデン(理想郷)に還そうというプロジェクトで、琵琶湖・淀川水系のヨシ(葦)を活用した「ReEDEN」シリーズの展開と、琵琶湖の環境保全活動に取り組んでいる。

ダミーイメージ

昔から琵琶湖にはヨシが群生していた(写真)。高さが約4mにもなるヨシは、寺社の屋根を葺(ふ)く建材や簾(すだれ)として活用されていた。ちなみに本来は「アシ」だが、音が「悪し」に通じることから、とくに関西では、縁起を担いで「ヨシ(良し)」というようになった。
盛夏に生長するヨシは空気中のCO₂を吸収し、水鳥や魚の棲家となり、根を張ることで湖岸の崩壊を防ぎ、湖水の浄化にもひと役買っていた。しかしライフスタイルが変わり、ヨシの需要は年々激減。ヨシ群落の衰退に繋がってしまっていた。
そこで、このヨシの群生を守り、育て、さらに刈り取ったヨシを暮らしのなかで活用していけたら、というのがコクヨ工業滋賀の取り組み。その一環として誕生したのが、ヨシを製品の一部に活用した文具「ReEDEN」シリーズである。

ご当地キャラクター「とび太くん」とのコラボ

滋賀県では、辻々で愛らしい交通安全の人形型看板「飛び出し坊やとび太くん」(写真)に出くわす。地元の看板製作業「久田工芸」の久田泰平氏によって、1973(昭和48)年に誕生。車の交通量が急増した時代、子どもの安全を守るために作られたものだ。ちなみに、この名付け親は、琵琶湖畔をドライブしていてその姿に興味をもった、漫画家・イラストレーターのみうらじゅん氏だという。

そして、地元の交通安全を守るとび太くんと、地域の環境保全を目指す「ReEDEN」とのコラボで誕生したのが、コクヨ工業滋賀が製品化した「とび太くん文具」シリーズ(写真)。昔ながらのヨシ紙の風合いに魅せられる人は多く、ヨシの群生ひいては琵琶湖の自然環境を守ることに繋がっている。
コクヨ工業滋賀は工場見学を行っており、ノートの製造過程を見ることができる。また、「ReEDEN」の活動についても解説してくれる。

(*物件紹介)
「西明寺」さいみょうじ
    • 住所 滋賀県犬上郡甲良町池寺26
    • 電話番号 0749-38-4008
    • 営業時間 8:30AM〜4:30PM(最終受付)
    • 休み 無休
    • 料金 大人800円(本堂後陣仏像群特別拝観料は別途1,000円) ※現金のみ
    • 公式サイト https://saimyouji.com/

 

「コクヨ工業滋賀」こくよこうぎょうしが
    • 住所 滋賀県愛知郡愛荘町上蚊野312
    • 電話番号 0749-37-8017
    • 営業時間 工場見学は、毎月2回開催(午前の部10:00AM~11:30AM・午後の部1:30PM~3:00PM) ※詳細は公式サイトで要確認
    • 休み 工場見学は12~2月
    • 料金 見学無料(https://www.kokuyo-shiga.co.jp/csr/kps_factorytour/より要予約)
    • 公式サイト  https://www.kokuyo-shiga.co.jp/

TOP