もっとJ-B Style! +α取材ネタ

アート巡りと合わせて楽しみたい、淡路島名物「玉ねぎ」あれこれ

旅行

2023/08/24

『J-B Style2023年秋号』で特集している兵庫県・淡路島。表紙や特集の最初のページにも大きな「玉ねぎ」が登場しますが、淡路島の人々の“玉ねぎ愛”は半端ではありません。今回はそんな淡路島と玉ねぎの関係についてご紹介します。

ライター
取材・文/土井ゆう子 写真/秋田大輔、うずのくに南あわじ、PIXTA
エリア
兵庫県
淡路島を旅していると、島のあちらこちらで玉ねぎ畑や創意工夫された玉ねぎ製品が販売されているとともに、あっ! と驚くオブジェなどが目に入る。島の西南に位置する「うずの丘 大鳴門橋記念館」の裏手には、巨大玉ねぎのオブジェ「おっ玉葱」が鎮座していて、雄大な鳴門海峡を見下ろす丘の上からの美しい海と大鳴門橋、巨大玉ねぎのコラボレーションは壮観。“さすが淡路島!”と思わせる風景だ。このオブジェは高さ約2.8ⅿ、直径約2.5ⅿ、重さ約250㎏。玉ねぎのおいしさとともに、淡路島の魅力を発信する「おっタマげ! 淡路島」プロジェクトの一環で生まれたものだとか。
「みんなの玉ねぎへの愛が大きくなりすぎて、こんな大きな玉ねぎになりました!」と、記念館を運営する「うずのくに南あわじ」広報担当の宮地勇次氏。見学は施設の営業時間に関係なく、いつでも自由。「朝の光のなかでの撮影がおすすめ」とのことだが、夕日で光る海をバックに写真を撮ってもフォトジェニックだ。

あなたも愛犬も「玉ねぎ」になれちゃう?

ダミーイメージ

ダミーイメージ

うずの丘 大鳴門橋記念館には、とってもユニークな「たまねぎカツラ」(写真)もある。無料で借りられて、「おっ玉葱」や「うずの丘スカイテラス」など、外への持ち出しもOK。小型犬用の小さなたまねぎカツラもあり、愛犬と一緒に玉ねぎになって記念撮影もできる。また、ここからさらに鳴門海峡に近いエリアにある「道の駅うずしおinうずまちテラス」の戸外には「おっ玉チェア」(写真)が設置されている。最大3人が一緒に座れる大きな玉ねぎ型の椅子で、大鳴門橋をバックに記念撮影するのもいい。

淡路島で最初に玉ねぎが栽培されたのは、1888(明治21)年。外国から輸入した玉ねぎの種子を兵庫県から配布され、現在の南あわじ市で試作したのが始まりといわれている。その後、試行錯誤を重ねて1920(大正9)年ごろから本格的な生産が始まり、戦後には一段と収穫面積が広がった。年間の平均気温約16℃と、一年をとおして温暖な気候と相まって、玉ねぎ栽培にはぴったりの土地だったそうだ。

フードロス削減で生まれた玉ねぎディップ

ダミーイメージ

ダミーイメージ

「農家レストラン 陽・燦燦(はる・さんさん)」(写真)は、世界的に有名な建築家、坂 茂(ばん しげる)氏が設計した、茅葺(かやぶき)屋根が美しい建物のレストランだ。メニューは野菜が主役で、使用されている野菜は自社農園や島内のとれたて野菜が中心。淡路島で後継者がいなくなった農地や耕作放棄地で生産し、レストランの前でも玉ねぎや四季折々の野菜が栽培されている。ここでの農業は、自然に逆らわず微生物を活性化させた土作りを行うとともに、栽培や出荷、レストランの調理などの過程で発生する生ごみを発酵堆肥に変えるなど、循環型の農業が実践されている。その考え方から生まれた製品が「農援隊の淡路島Dip!」だ。「レストランの料理として使う玉ねぎは、主に結球した部分。ネギのような葉の部分は余ってしまいます。その部分を無駄なく利用しようと考えて誕生した、フードロス削減を目指したアップサイクル商品です」。こう説明してくれたのは、農家レストラン 陽・燦燦を運営する、パソナ農援隊の横山和基(かずき)氏。「まるごとたまねぎとトマト」「たまねぎ葉とみそ」(各100㎖・600円)の2種(写真)は、化学調味料不使用で、玉ねぎ本来の濃厚な味わいが楽しめる。店内のマルシェコーナーで販売されているので、ぜひチェックしよう。

豊富な玉ねぎ製品が揃う「クラフトサーカス」

ダミーイメージ

ダミーイメージ

玉ねぎ好きにもうひとつおすすめしたいスポットが、淡路島の西海岸で、瀬戸内海を一望するロケーションにある「クラフトサーカス」。マーケットやレストランの集まる複合施設だ。そのなかの「クラフトマルシェ」は、地元の農家さんから仕入れた新鮮な野菜や瀬戸内のこだわり食品が集まる、おみやげ探しに絶好のスポット。吹き抜けの店頭に並ぶ淡路島野菜は季節によって変わるが、ここでも玉ねぎは欠かせないアイテムだ。マルシェの一角には、淡路島産玉ねぎを使ったドレッシングやスープの素、かけだれ、ソースなど、おみやげにぴったりな加工食品も豊富に揃う。ドレッシング「Tama(写真)は、「ごま玉ねぎドレッシング」やノンオイルの「黒酢玉ねぎドレッシング」(各165㎖・730円)があり、かわいい玉ねぎ型の瓶は、中身を使った後もとっておきたくなる。

淡路島の風物詩、“玉ねぎ小屋”とは?

ダミーイメージ

瀬戸内海特有の温暖な気候とミネラル分が豊富な土壌で育つ淡路島産玉ねぎは、一般的な玉ねぎに比べ糖度が10%ほど高く、辛味成分のピルビン酸が少ないという。45月に収穫される早生(わせ)、5月下旬〜6月上旬ごろに収穫される中生(なかて)、6月上・中旬ごろに収穫され、翌年3月ごろまで長期にわたって出荷される晩生(おくて)と、一年をとおして玉ねぎが入手可能で、晩生の玉ねぎを吊るして熟成させる“玉ねぎ小屋”(写真)は、淡路島の風物詩のひとつ。自然の風を利用してゆっくり乾燥させることで、甘みが凝縮されるという。

玉ねぎ推しが止まらない、“玉ねぎ愛ランド”淡路島。ぜひ満喫してもらいたい。

(*データ)

◆うずの丘 大鳴門橋記念館

 うずのおか おおなるときょうきねんかん
  • 住所 兵庫県南あわじ市福良丙936-3
  • 電話番号 0799-52-2888
  • 営業時間 9:00AM5:00PM 火曜休(施設により異なる。祝日の場合は営業、屋外モニュメントは見学自由)
  • 料金 入館無料
  • 公式サイト https://kinen.uzunokuni.com/

◆道の駅うずしお in うずまちテラス

 みちのえきうずしお いん うずまちてらす
  • 住所 兵庫県南あわじ市福良丙947-8
  • 電話番号 0799-52-1157
  • 営業時間 ショップうずのくに 9:00AM5:00PM 木曜休(祝日の場合は営業)
  • 公式サイト https://eki.uzunokuni.com/

◆農家レストラン 陽・燦燦

 のうかれすとらん はる・さんさん
  • 住所 兵庫県淡路市野島常盤源八1510-4
  • 電話番号 0799-70-9082
  • 営業時間 11:00AM〜5:00PML.O.) 水曜休  ※(L.O.)=ラストオーダー
  • 公式サイト https://www.awaji-nlr.com/restaurant/

◆クラフトサーカス

 くらふとさーかす
  • 住所 兵庫県淡路市野島平林2-2
  • 電話番号 0799-82-1855
  • 営業時間 クラフトマルシェ 10:30AM8:00PM(土・日・祝 10:00AM~、季節により変動あり) 木曜休(祝日の場合は営業)
  • 公式サイト http://awajicraftcircus.com/

淡路島おすすめホテル

ホテルアナガ

淡路島の西南端、阿那賀。海辺の丘のリゾートホテル。全室海に面したバルコニー付の2階建てのホテルです。四季の新鮮な海の味覚が楽しめます。

ホテルニューアワジ別邸あわじ浜離宮

日本の夕陽百選・慶野松原に佇む浜辺の離宮。ダイニングで味わう淡路島の食材やとろとろの温泉を愉しめる。ミシュランガイド4レッドパビリオン獲得。

TOP