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沖縄美ら海水族館と本部半島の旅

旅行

2025/12/26

息をのむほど美しい沖縄の海。その澄んだ海中に棲む海の生き物たちの世界を、サンゴ礁の浅瀬から深海まで再現しているのが、「沖縄美ら海水族館」だ。リゾートホテルや本部半島の自然と合わせて、豊かな“美ら海”の旅を満喫したい。

ライター
取材・文/武田ちよこ 写真/垂見健吾
エリア
沖縄県

沖縄美ら海水族館で“美ら海”の世界へ

巨大なジンベエザメのモニュメントが迎えてくれる「沖縄美ら海水族館」(写真)。モニュメントを通り過ぎ、4階の「海人門(ウミンチュゲート)」から3階へ下って入口へ。ここから、海を潜っていくように1階まで見学していくと、雄大な沖縄の海を探検した気分になるように構成されている。

3階「サンゴ礁への旅」で最初に出会うのは、沖縄でイノーと呼ばれるサンゴ礁に囲まれた浅い海。そこから、多様なサンゴが見られる「サンゴの海」、カラフルで形もさまざまな魚が泳ぐ「熱帯魚の海」(写真)へと続く。日差しが降り注ぐなか、自由に舞い泳ぐ熱帯魚の海のにぎわいぶりに、つい釘付けになる。

アプローチを下ると、2階にはお待ちかねの「黒潮の海」大水槽(冒頭写真/銀鏡つかさ)が。ここでは全長約8・8メートルのジンベエザメ「ジンタ」や、最大級のエイであるナンヨウマンタ、マグロやカツオなどの回遊魚が、巨大な水槽のなかをのびのびと泳ぎ回っている。その数、約70種、7300匹にもなるという。大水槽の前にたたずむ人、後方に座って眺める人、だれもが時間を忘れ、生き物たちの圧倒的なパワーを感じ取っているようだ。
サメの美しさに見惚れる「サメ博士の部屋」(写真)を抜け、1階の深海生物の展示まで、発見と感動の時間を堪能しよう。

朝の開館と同時に水族館に入り、ゆっくり時間をかけて海の世界を旅したら、ランチタイムは4階にあるレストラン「イノー」(写真)へ。イノーとは、沖縄の言葉でサンゴ礁に囲まれた浅い海のこと。沖縄では昔から「海の畑」ともいわれ、貝や海藻、小魚など、日々の糧を与えてくれる大切な場所だ。

そんな名前が付いたレストランのランチは、ビュッフェスタイル。ラフテー(豚の角煮)やジューシー(炊き込みごはん)などの沖縄料理からサラダ、メイン、スイーツまでが揃った料理を、ピックアップして味わおう(写真)。レストランの前にはコバルトブルーの海が広がっている。美しい景色を眺めながら、会話が弾むランチタイムになりそうだ。

「黒潮の海」大水槽の真横に用意された特等席でくつろげるカフェ「オーシャンブルー」(写真)もおすすめだ。飲み物を手にジンベエザメやマンタたちを眺めているだけで、日常を忘れ、海の世界に没入してしまうだろう。

おみやげ探しもおすすめ。美ら海プラザにあるショップ「ブルーマンタ」(写真)には、水族館オリジナルグッズが豊富に揃う。なかでも人気なのは、ジンベエザメ関連の商品だ。ぬいぐるみやトートバッグ、Tシャツやお菓子など、ここにしかない商品は見るだけでも楽しい。きっとお気に入りが見つかるはずだ。

海洋博公園で海と緑をもっと満喫する

沖縄美ら海水族館のある海洋博公園は、1975(昭和50)年に開催された沖縄国際海洋博覧会の跡地を整備して造られた国営公園。水族館を堪能したら、午後は園内のほかの施設にも足を延ばしたい。

水族館から近いのがオーシャニックゾーン。ここにはイルカのショーが楽しめる「オキちゃん劇場」や、イルカを間近で見られる「イルカラグーン」、さらに「マナティー館」「ウミガメ館」などがあり、どこも無料で見学できる。

子どもたちに大人気なのが「オキちゃん劇場」で、コバルトブルーの海をバックに躍動するイルカに歓声があがる(写真)。ここで活躍するミナミバンドウイルカのオキちゃん(※1)とムクは、なんと今年で飼育50年。世界最長飼育記録を更新中だ。

ウミガメ館にはアオウミガメ、アカウミガメをはじめ、日本では珍しいクロウミガメ、ヒメウミガメも展示されている。人魚のモデルともいわれるアメリカマナティー(写真)はかわいくて、見ているだけでほっこりする。

海洋博公園の中央ゲートのすぐ横には「海洋文化館」がある。沖縄をはじめ太平洋地域の海洋文化を紹介する施設で、玄関ホールに展示されている巨大なポリネシアのカヌーが出迎える。建物は海洋博当時に建てられたもので、館内には海洋博の情報コーナーもある。ここにはプラネタリウム(写真)も併設されていて、沖縄で見られる星々を、この地の言い伝えとともに紹介する30分のプログラムなどを上映している。

その向かいに広がるのが「おきなわ郷土村」(写真)。琉球王国時代の集落を再現しており、週末には赤瓦をのせた民家で三線(サンシン)を弾くといった「昔のおきなわ生活体験」も行っている。

この一角にある「おもろ植物園」は、琉球王国時代に編纂(へんさん)された歌集『おもろさうし』にうたわれている植物を栽培するユニークな植物園だ。

さらに先へ歩いていくと、レンガ造りの塔が見えてくる。これが「熱帯ドリームセンター」(写真)にある遠見台。熱帯ドリームセンターは常時2000株以上のランが咲き競い、珍しい植物やトロピカルフルーツが観賞できる植物園。何度でも訪れたくなる魅力的な花園だ。

美しい自然と過ごす沖縄時間

海洋博公園の北端に広がるのがエメラルドビーチ(写真)。美しく弧を描く白砂のビーチは、まるで絵画のように美しい。

道路を挟んでこのビーチの向かいに立つのが、「オリオンホテル モトブ リゾート&スパ」だ。238ある客室(写真)のすべてがオーシャンビュー。朝に夕に色を変える海と伊江島を眺めているだけで、心がほどけていくだろう。

ここには沖縄のホテルには珍しく、地下約1500メートルの太古の地層から湧き出る湯を使った温泉施設がある。レストランはオールデイダイニングの「シリウス」をはじめ、バーベキューレストラン、沖縄料理の店などが揃う。沖縄美ら海水族館へは徒歩約10分。本部(もとぶ)半島観光の拠点となる、気持ちのいいリゾートだ。

本部半島は海や森の自然を生かしたすてきなカフェが多いことでも知られる。橋で渡れる瀬底(せそこ)島にある「fuu café(フー カフェ)」(写真)は、先代のオーナーが自ら原野を開墾して作った庭で、やすらぎの時間が過ごせる(写真)。ドライブの途中に立ち寄ろう。

本部半島のカフェのなかで、老舗のひとつが「やちむん喫茶シーサー園」(写真)。やちむん(焼き物)好きだった先代のオーナーが、山歩きを楽しむ人がコーヒーを飲んで休める場所をつくりたいと、36年前に始めた店だ。2階に上がると、屋根に鎮座したシーサーたちが迎えてくれる(写真)。森の木々を揺らして風が通り、座敷のなかに蝶やトンボが飛んでくる。澄んだ空気に包まれた隠れ家のようなカフェだ。

本部半島は季節ごとに柑橘類やパイナップルなどのフルーツが実り、新鮮な野菜も豊富だ。そんな野菜や果物をおみやげに買って帰るなら、名護市にある「ファーマーズマーケットやんばる」(写真)に立ち寄ろう。
これからの季節には、本部半島の伊豆味(いずみ)地区で栽培されている柑橘類が次々と出回る。沖縄原産のタルガヨーという小さなミカンをはじめ、タンカンやフルーツシークヮーサーなどが売り場に並ぶ。もちろん配送も可能。自然豊かな本部半島の旅をしめくくるおみやげが、きっと見つかるだろう。

※本記事は、『J-B Style26冬号』(P24~32)を転載しています。

※1「オキちゃん劇場」のオキちゃんは2025年12月2日に亡くなりました。ご冥福をお祈りいたします。

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