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3つの大橋から繋がる4つの島!
いろんな角度から見る「宮古島」の海

旅行

2023/06/23

『J-B Style』2023年夏号のP24~29で特集した沖縄県・宮古島。本コラムでは、本誌で紹介しきれなかった、宮古島から延びる3つの大橋の絶景と、隠れた名所や美しいビーチを紹介します。

ライター
取材・文/武田ちよこ 写真/OCVB、宮古島ライブラリー、垂見健吾
エリア
沖縄県

宮古島の周囲には、本誌特集で紹介したようにいくつかの島々がある。橋を通って簡単に行き来ができるので、「宮古島」とまとめて認識されてしまうことが多いが、厳密には、「池間(いけま)島」、「来間(くりま)島」、「伊良部島」、「下地(しもじ)島」の4島がある(ほかに「大神島」、「多良間島」、「水納(みんな)島」の3つの離島を加えて宮古列島または宮古諸島と呼ぶ)。行政的には、宮古島と池間島、来間島、伊良部島、下地島、大神島が宮古島市。多良間島と水納島が宮古郡多良間村だ。

見たことのない真っ青な海と橋の共演

宮古島には3つの大橋が架かっている。一番新しくできた橋は伊良部島と繋がる「伊良部大橋」で、全長3,540m(「サン・ゴ・のシ・マ」と覚えよう)。そして、伊良部島とわずか数メートルの水路を隔てて、もうひとつの島、下地島がある。両島の間はいくつかの橋で繋がっているが、このふたつの島はほとんどひとつの島のように見なされている。車で走っていても、島を行き来していることを意識する人はあまりいないだろう。島の間の水路はいつでも穏やかなので、ここではシーカヤックやSUPが楽しめる。

下地島には訓練飛行場としても使われる下地島空港がある。2019年に新しく「みやこ下地島空港ターミナル」が開業して、近距離国際線(20235月現在、運休)を含むLCCが就航した。開放的でリゾート感にあふれた空港施設にはカフェもあるので、立ち寄ってみたい。

下地島の北側には、地元で「下地島空港17(ワンセブン)エンド」と呼ばれるポイントがある(写真/PIXTA)。空港への誘導灯が並ぶこの辺りの海の色が「美しすぎる」と評判だ。海底が白い砂地で、しかも水深が浅いので、太陽を浴びたその美しさは言葉を失うほど。現在は車で行くことはできないが、歩いて見に行くことはできるので、ぜひ自分自身で確かめよう。砂浜が出現する干潮時がとくにおすすめだ。

魅力いっぱいの小さな島へ

伊良部島から下地島に渡る水路の手前に位置するのが、「渡口(とぐち)の浜」(写真)。ここはきめ細かな白い砂が美しく、弧を描く浜に抱かれるようにコバルトブルーの海が静かに広がっていて、ビーチでのんびり過ごすのに最適だ。また、伊良部島でもう1カ所おすすめしたいのが佐和田の浜(写真)。ここは超遠浅で泳ぐには適していないが、夕暮れ時にぜひ訪れてほしい。海にポツンポツンと見える岩は、江戸時代に起こった明和の大津波で海底から運ばれてきた津波石。日没に向かって刻々と変化する海と空の色のハーモニーに、津波石のシルエットがアクセントをつける。静かに見つめていたい絶景だ。

次は宮古島の南西。来間大橋を渡って来間島へ行ってみよう。この島には対岸に見える宮古島の与那覇前浜が眺められるビューポイント「竜宮城展望台」がある。島には近年、大型リゾートホテルが開業して訪れる人が増えているが、それでも島のなかは静かで、昔ながらの穏やかな暮らしが守られている。来間島の西海岸には長間浜(写真)が広がっていて、いまでは貴重な、自然のままの美しいビーチとなっている。 

最後は宮古島を一気に北上し、池間大橋を渡って池間島へ。島には小さな入江がいくつもあり、美しい海が続いている。池間島で忘れてはならないのが、島の北の海に広がる八重干瀬(やびじ)(写真)。「幻の大陸」と呼ばれる巨大なサンゴ礁群で、1年で最も潮が引く4月の大潮の干潮時にのみ海面から姿を現す。ここは漁師にとっては大切な漁場。多様な生き物たちが生息する豊かな海で、シュノーケリングを楽しむツアーも人気だ。

それぞれに魅力がある宮古列島の島々。ぜひゆっくり時間を取って、島ごとに異なる絶景を見比べてみてほしい。

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