沖縄美ら海水族館をもっと楽しむ5つのポイント
旅行
2026/01/23
『J-B Style 2025年冬号』でご紹介した「沖縄美ら海水族館」。奥深い魅力が詰まった水族館には、まだまだみどころがたくさん。沖縄美ら海水族館の穴場スポットに加え、水族館がある海洋博公園の話題など、誌面では紹介しきれなかった、水族館をより深く楽しめる情報をお届けします。

- 取材・文/武田ちよこ 写真/垂見健吾、沖縄美ら海水族館、海洋博公園

- 沖縄県
沖縄観光で絶大な人気を誇る「沖縄美ら海水族館」。何度訪れても興味が尽きない水族館がもっと楽しくなる旅のヒントをご紹介しよう。
ポイント①「黒潮の海」大水槽を堪能する穴場スポットがある!
まずは、いつも観覧者がいっぱいの「黒潮の海」大水槽を楽しむ、意外に知られていない穴場スポットを紹介したい。「黒潮の海」大水槽の見学ルートへ下りていく手前にある「美ら海シアター」(写真)だ。ここは大水槽の中層にスクリーンのように開けられた四角い窓から、目の前を泳ぐジンベエザメたちの姿をゆっくりと眺められる。座席は120席あるので、ゆったりと腰かけて、まるで映画を観るように次々と現れる生き物たちのドラマが堪能できる。
「黒潮の海」大水槽には、2026年3月で飼育を始めて31年になる、世界最長飼育記録を更新中のオスのジンベエザメ「ジンタ」をはじめ、オニイトマキエイやナンヨウマンタ、マグロにカツオなど、黒潮が流れる沖縄近海が再現されている。
ポイント②秘密のエレベーターで大水槽を真上から見学しよう


沖縄美ら海水族館のなかには、限られた時間しか動かないエレベーターがある。「黒潮の海」大水槽の横、1階のジンベエ・マンタコーナーにある“黒潮探検”と書かれたエレベーターだ。これが動くのは、8:30AMから10:45AMと、5:30PMから閉館の15分前まで。この時間帯にエレベーターに乗ると、ジンベエザメやマンタが泳ぐ「黒潮の海」大水槽を見下ろす最上部(4階・写真)まで連れていってくれるのだ。エレベーターを降りると、そこは巨大水槽の裏側を見ることができる水上観覧コースとなっている。飼育員たちが働く様子も見られ、裏側を覗いているワクワクを楽しめるエリアだ。
大水槽では9:30AMと3:00PM、5:00PMに、魚たちへの給餌が行われる(写真)。とくに9:30AMの給餌では、水中に入れられた餌を効率よく食べるために、ナンヨウマンタが後方回転しながら餌をとる様子を見ることができる。この時間帯であれば、“黒潮探検”から飼育員がどのように給餌を行っているか、バックヤード側の様子を見ることもできるのでおすすめだ。このような貴重なシーンも見学できる黒潮探検、時間を合わせてぜひ行ってみたい。
※黒潮探検は予約不要、無料。
※3:00PM、5:00PMは、黒潮探検からの給餌観覧はできません。
※黒潮探検の時間は、季節によって変更する場合があります。
ポイント③ジンタの健康はチームによって守られている


ジンタが水族館に来たのは1995年。前身の国営沖縄記念公園水族館の時代で、そのときの全長は約4.6m、推定年齢10歳未満。
それが現在は全長約8.8mと、すくすく成長している。そんなジンタの健康は、給餌などを通して日常の様子を見守る飼育員と、獣医療チームのスタッフが協力して支えているのだ。
ジンベエザメの飼育に関して世界の最先端を走る沖縄美ら海水族館では、定期的にジンタに採血(写真)と、心臓と腹部のエコー検査(写真)を行っている。検査はスタッフがスキューバダイビングで水槽内に潜り、ジンタと並んで泳ぎながら行う。エコー検査では心拍数や、胃や腸の内容物まで確認できるというから驚きだ。長年蓄積された沖縄美ら海水族館のデータは世界中の研究チームと情報交換され、いまだ謎が多いジンベエザメの生態研究に活用されているという。これらの検査は開館時間中に行うこともあるが、その日時は発表されていないため、もし見られたら超ラッキー! ジンタの健康を支える人々にも想いを馳せながら、悠々と泳ぐ姿を眺めてみよう。
ポイント④24年連続でサンゴが生まれている「サンゴの海」水槽に注目!

沖縄美ら海水族館の水槽には、水族館のすぐ沖の海から取水した新鮮な海水が絶えず供給されている。当然、水温は季節で変わり、水槽のなかは沖縄の自然に近い状態が保たれている。さらに、「黒潮の海」大水槽や、「サンゴの海」「熱帯魚の海」水槽には、頭上から自然光が差し込むので、時間とともに変化する日差しが、水槽内の生き物たちに一日の動きを知らせている。大部分の魚たちは、夜には動きを止めて休み、朝の光とともに活動を開始する。
「サンゴの海」水槽には、沖縄近海で確認される約80種ものサンゴが育てられているが、この水槽では24年連続でサンゴの産卵(写真)を確認中だ。これは、水槽内が自然に近い環境を再現しているからにほかならない。サンゴの産卵は、4月から6月の大潮とその前後の夜に起こることが多い。サンゴ産卵後にサンゴの赤ちゃんが誕生すれば、1週間ほど展示することもあるそうだ。ここで生まれた幼生の一部は海に放流され、新たなサンゴの誕生に繋がっている。
※サンゴの産卵は夜間のため見学することはできませんが、産卵の様子が公式インスタグラム(海洋博公園・沖縄美ら海水族館(https://www.instagram.com/kaiyohaku_churaumi/)で毎年ライブ配信されています。
ポイント⑤海洋博公園で“日本最大級のランの祭典”を開催


沖縄美ら海水族館の見学を終えたら、海洋博公園のほかの施設にも足を延ばしたい。おすすめは「熱帯ドリームセンター」(写真)。レンガで造られた渦巻き状の遠見台が目印だ。熱帯ドリームセンターは入口からこの遠見台までの間にいくつもの温室が連なる植物園で、とくに冬場にここを訪れると、咲き乱れるたくさんの花々に心があたたまること請け合いだ。
一番のみどころは、2000株以上常設展示されているラン。空中に咲くバンダや花の女王カトレアをはじめ、世界最大級のラン、沖縄に自生する希少な野生ランなど、ひとつひとつの花鉢を見ていくと、珍しくも豊かなランの世界の美しさに圧倒される。毎年1月下旬には日本で最も長い歴史を誇る国際的なラン展「沖縄国際洋蘭博覧会」(写真)も開催されている(2026年は1月24日~2月1日。熱帯ドリームセンター入館料で見学可)。ぜひ訪れてほしい。

