Web限定連載
藤原暢子のクルーズレッスン
Vol.1

あなたに合う一隻は? ~失敗しないクルーズ船の選び方

旅行

2026/06/12

「船旅」という言葉には冒険心をくすぐられるものの、「クルーズは高嶺の花」というイメージを持っている人も多いのでは? そんな人こそ必見。本連載は、これまでに140隻以上の客船に乗船し、クルーズを熟知したジャーナリスト・藤原暢子さんによる全4回のクルーズ講座です。クルーズ旅行を本気で検討したい人のために、WEBスクール開校します。

ライター
文:藤原暢子 写真:藤原暢子、エクスプローラ ジャーニー、郵船クルーズ、MITSUI OCEAN CRUISES、リージェント セブンシーズクルーズ
エリア
クルーズ

連載の第1回は、数多ある個性豊かなクルーズ船のなかから、自分に合った一隻を見つけるためのヒントをお伝えします(冒頭写真はプレミアム船の「ダイヤモンド・プリンセス」)。クルーズは、ラグジュアリー船だからいいというわけではありません。船内での過ごし方や目的によっても選択肢はさまざま。カタログや料金だけでは測れない、真の“満足度”が高い、自分にぴったりの一隻を探しましょう。

多彩な選択肢から、旅のスタイルで選ぶ

まず初めに、「クルーズは高級なもの」というイメージがありますが実はそんなことはなく、近年は1泊2万円台で楽しめるコストパフォーマンスのよい「スタンダード船」から、1泊15万円前後の「ラグジュアリー船」(写真は「エクスプローラ Ⅱ」)、その間に位置する1泊3万円台からの「プレミアム船」、さらにはその3つのカテゴリーには収まりきらないものまで、選択肢は実に多彩。日程も、国内を2~3泊で巡るショートクルーズから、7~12日程度の定番クルーズ、100日を超える世界一周のような長期クルーズまでさまざま。就航エリアや船の個性も異なるため、自分に合った船を見つけることが、満足度の高い船旅への第一歩です。予算だけでなく旅のスタイルによっても選ぶ船は変わるので、だれと乗るのか、船上でどのように過ごしたいのか、最初に優先順位を考えてみましょう。

“だれと乗るのか”で大きく変わるおすすめの船

夫婦でゆったりとぜいたくに、かつ自由度の高い船旅を望むならラグジュアリー船がおすすめです。ラグジュアリー船は6万トン以下の小型船が多く、少人数の乗客(100~700人程度)に対し、高級ホテルのように丁寧なサービスや上質な食事が提供されます。親をエスコートするなら、日本的なおもてなしで和食がおいしい日本の船会社の船が安心です。ちなみに日本の船会社のほとんどの客船がラグジュアリー船のカテゴリーに入ります(写真は「飛鳥Ⅲ」の「ビスタラウンジ」と「MITSUI OCEAN FUJI」のショー)。一方、3世代や家族でにぎやかに楽しむなら、朝から夜までイベントや船内エンターテインメントが盛りだくさんのスタンダード船がおすすめです。スタンダード船は10万トン以上の中〜大型船が主流で乗客数が多く(2000~5000人程度)、ショー、プール、キッズ向け施設などが充実し、船内はまるで遊園地のよう。夫婦で落ち着ける時間も欲しいけれど、施設やサービスの選択肢も欲しいといった場合は、ラグジュアリー船とスタンダード船の中間に位置するプレミアム船(中~大型船が主流)を選ぶのがおすすめです。

料金だけでは測れない “船上時間の満足度”

同じクルーズでも、人によって“満足度”はまったく違います。船旅の満足度は、必ずしも料金に比例しません。例えば、旅先で地域の文化を深く知りたいなら、少人数の寄港地ツアーや体験が充実しているラグジュアリー船が向いています。ラグジュアリー船では、寄港地での体験の質そのものが旅の中心になります。

一方、船そのものや船内時間を楽しむなら、船内エンターテインメントが充実した中~大型のスタンダード船またはプレミアム船がおすすめです。昼は寄港地観光に出かけて、夜や航海日はショーやイベント、レストラン巡りと、船での過ごし方が旅の満足度に繋がります。こうした体験に加えて、満足度を大きく左右する要素のひとつが「飲食」です。クルーズ中に美食やお酒を心ゆくまで楽しみたいなら、ラグジュアリー船がいいでしょう。なぜなら、料金にあらかじめアルコール代(特別な銘柄を除く)やチップが含まれていることが多く、追加費用を気にせずに過ごせるから(写真はリージェント セブンシーズクルーズのラグジュアリー船「セブンシーズ スプレンダー」の「スプレンダー ラウンジ」)。家族旅行の場合は、ビュッフェやカジュアルレストランなど、選択肢の多いスタンダード船が便利で人気です。子ども向けメニューやデザートも充実しており、好きなものを選べる自由さがあります(写真はスタンダード船のビュッフェのイメージ)。

手配のポイントはパッケージツアーか、個人か?

最後に、船旅の手配の仕方と注意点について。旅行会社が主催するパッケージツアーのクルーズでは、クルーズ料金のほかに、往復航空券を含めた乗船地までの移動費、乗船前後に宿泊が必要な場合のホテル代などもツアー代に含まれています。これにはチップや税金なども含まれていますが、自分が個別に支払うものがあるかどうかは、事前に確認しておきましょう。さらに、「寄港地での日本語ツアー付き」などとカタログに明記されていれば、寄港地ツアー代も含まれています(写真は、リージェント セブンシーズクルーズのラグジュアリー船「セブンシーズ マリナー」のモンテネグロ停泊の様子)。その分割高になることもありますが、言語に不安があるなら寄港地での日本語ツアー付きが安心です。旅行に慣れているなら、乗船券だけを購入し、航空券やホテル、港までの移動や現地での寄港地観光を自分で手配することも可能です。

船上で受けるサービスは、個人で申し込んでもパッケージツアーに参加しても同じなので、はじめてのクルーズ、とくに海外クルーズの場合はトータルでケアしてくれるパッケージツアーが安心でしょう。手配する際に大切なのは、表示されている料金だけでなく、自分が快適な船旅をするためにはどんなサービスが必要か……それらを総合的に判断して選ぶといいでしょう。

次回(第2回=7月配信)は、船内での「ファッション」についてご紹介します。

(*著者プロフィール)
藤原暢子(ふじわらのぶこ)●クルーズジャーナリスト。クルーズ専門誌『CRUISE』元編集長。父は元船医。1998年に英国の客船で世界半周したのを機に、船旅に魅了される。現在はさまざまなメディアで国内外のクルーズの魅力を発信・紹介。これまでに、140隻以上の外国船・日本船・フェリーに乗船し、80ヵ国以上を巡る。

※掲載内容は、2026 年5 月時点の情報です。時期や天候、施設の諸事情により変更となる場合があります。

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